LC-A+ その4 -ベストマッチなやつら-

執筆者:青狐

――勝利の法則は決まった!

はじめに

LC-A+の発売から十数年。我が国はネガフィルム派、ポジフィルム派、インスタント派の3つに分かれ、混沌を極めていた…!

物事にはこう、相性の良さ、というのを意識せざるを得ないケースが存在する。例えば鶴を見たら亀を想像するとか、太陽と大気と海のコンビネーションによる地球、とか。当然ながら組み合わせによってはアンマッチになってしまうケースも多いけれど、今回紹介するLC-A+は、基本的には何を付けてもベストマッチ!となり、全く別の性能を発揮するカメラとなる。

例えば、前々回に紹介したインスタックスバックや、前回紹介したアタッチメントレンズを組み合わせることで、通常ではありえない撮影や写真を生み出すことができる。もっとも、マジな話をするとその組み合わせは偶然の産物ではなくあらかじめ商品展開が決まっていたのでそのような「仕様」にできる、という風に言い切ることもできるが、足元の問題はそのアタッチメントすら見つけるのが難しい(筆者調べ)。

今回紹介するのは、その中でもとくに探すのに時間のかかったアイテム。

さぁ、紹介を始めようか!

Splitzer

装着例。
本体。割と小さい。

書籍「THE LOMO BOOK」(玄光社、2008年)によれば、複数存在するLC-Aのアタッチメントのうちのひとつ。要するに、LC-A+の多重露光機能を活かして、部分的にレンズを覆うことで、未露光部分に別の景色をあてがおう、というコンセプト。

大きさ的には4cm四方程度の小さいモノ。Splitzer本体の黒い半円と赤い部分をうまく回して、例えば露光する部分を1/2にするとか、1/4にするとかは、撮影者の自由に選べる。ただし、これは考え方の問題でもあるが、筆者は最初にこれを使った時、「なぜSplitzerに露光回数を決められなきゃならんのだ」というとても理不尽な怒りに至った。今でこそ着地をイメージしてコントロールすることはできるのだが、慣れないうちは、とくに1/4以下で細分化したコマ数でやるときは、結構大変。1枚撮るのにこんなに体力がいるのか…と疲弊してしまった。

この部品を付けるには、LC-A+のファインダーからレンズにかけての縦ラインにつけられた線に沿って、その溝にSplitzerを装着する。残念ながら、旧型のLC-Aにはこの溝が存在せず、完全に+仕様となっている点をご留意頂きたい。

こんな風に言葉で説明してもいまいち魅力が伝わらない。というわけでさっそく作例の紹介をしたい。

作例

さて、それでは作例を紹介していく。

35mm

左下、右下に狛犬様を配置し、上部に梅。(LC-A+, Gold 200)
滝の間を泳ぐイルカ。(LC-A+, Gold 200)
マルチバース感。(LC-A+, Gold 200)
狐様がみてる。(LC-A+, Gold 200)
赤と青。(LC-A+, Gold 200)
上と下。(LC-A+, Gold 200)
ちょっとわかりづらいかも。(LC-A+, Gold 200)
なんかこういう風景ゲームでありそう。(LC-A+, Gold 200)
二重の塔(大嘘)。(LC-A+, Gold 200)
左右に分けて撮影。(LC-A+, Gold 200)

こんな風に、世にも奇妙な写真が撮れるのがこのSplitzerのいいところ。よく、この通路の反転とかみたいな写真がこの装置の作例で出てくるのだけど、撮り方としては、

①先に上を隠して普通に撮影

②その後その場所から極力動かず、カメラをひっくり返す

③カメラをひっくり返したまま、下を隠して撮影する

言われてみればなんのこともない、ただの多重露光。

また、LC-A+自体、パンフォーカスなカメラなので、基本的に無限遠であれば画面のすべてにピントが合うようになっているため、ゾーンフォーカスを活かして、ある程度の近接撮影でもって主題を明確にした部分とそうでない部分を分ける、というのも面白い。

これを自由に使いこなせれば、相当ヤベーイ!な写真が撮れること間違いなし。

チェキ

前々回紹介した、インスタックスバックを付けた状態でも、Splitzerはワークするのか?という疑問にどうしても解を与えたかった。むろん、今ではロモからもロモインスタントなるカメラが存在しているし、なんだったらそれにもSplitzerは存在する。でも、作例を見る限りLC-A+にインスタックスバックを付けて撮る写真でしかあのビネット感は出せない。そこで、あえてLC-A+ Splitzerを活用する形でこのアイテムを組み合わせてみた。

以下の作例は、2022年4月10日に実施したチェキ会(含ポラロイド)にて撮影したもの。いずれも個別に掲載許可済み。ご参加いただいたみなさん、誠にありがとうございました。

ありがとうございました!

では以下より作例を。

上下分割。空の色が全然違う。
マルチバース感その2。
漫画の一ページ。
あらかわ遊園。
夕暮れの谷中。

結果としては、やはり想像通り、Splitzerはチェキでも十分効果はあった。個人的には、左右よりも上下の方がはっきり分かれているというか、左右だとどうしても右側が多く露光してしまっているかな…?と思ったが、仮説として、後から撮影したほうの色温度が高いと、そちら側の光が既露光済みの方の一部を侵食する、ということが考えられるが、真相は謎。

入手例

ひたすら中古市場を眺めるしかない。筆者は、これの存在を認知したときから、延々とフリマアプリからオークションサイトまで、時には怪しい海外サイトまで閲覧しまくったが、結局全然見つからなかった。見つけたのは今年の春。その希少性から、筆者がようやく見つけた際、正直結構いい値段した。足元見られてるなあ…と思いながら即決。ただ、中には数年単位で探しても見つからない、というケースもあるみたいなので、まだ買えるだけヤスーイ!ってやつだろうか。例によって、公式に問い合わせても、海外の担当者からは「もう数年デッドストックでも見ていない」との返答アリ。それはそうだ。もう10年以上前のプロダクトだし、そらディスコンにもなるわなぁ…。

おわりに

今回も作例多め。Splitzerは作品自由度を一気に加速させる反面、途中で飽きないメンタルが重要となってくる。先のイルカのやつも、下のイルカを先に上野広小路駅で撮影したのち、上野公園付近の滝?で上方2か所に滝を配置。つまり、物理的にも時間的にも離れている。まさに忍耐力と体力があれば4次元な撮影が可能なのだ。とはいえ、ギュインギュインのズドドドドドドって勢いで撮影をする方が精神衛生上よろしいので、そちらをお勧めしたい。

今回のサブタイトルの元ネタは平成仮面ライダー第19作目から。あの作品は扱っているテーマがものすごく重いわりに、ストーリーとキャラが軽いのでなんとなく見られちゃう。とはいえところどころ重たい雰囲気もあったし、なによりラスボスであるエボルがあまりにも強すぎた。最後の方はもう延々またエボル勝ち逃げかよとか思っていたりもしていた。でラストも、もうあんまり強すぎるとああいう風にしか決着はつけられないよなとか思っちゃったりもした。まあいいか。

これを使いこなせれば、読者の諸兄諸姉も、まさに完全無欠のフィルムヤロー!になれる…かも?

Are You Ready!? …出来てるよ…!!

トイカメラはあなたを自由にする。

どうかよいカメラライフでありますように。

この沼に住む人
青狐

レンズ沼、カメラ沼に誘い込む狐。フィルムで多重露光大好き。ピンボケ、露出オーバー・アンダーなんでもござれ。

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カメヌマ

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