Lubitel166+について

執筆者:青狐

 これを読む紳士淑女の皆様は、たぶん「トイカメラ」の沼へ一度踏み込んだことがあるだろう。だって前の記事をみんな読んできてるんでしょう? …え?読んでない? 早く読もう(提案)

 今回はLubitel166+というトイカメラを紹介したい。

 そもそもLubitel(ルビテル)とは…何か?結論から言えば、LubitelはAmateur、すなわち素人(トーシロ)。Lubitel166+とは素人166+、と日本語訳できるわけで、「素人に何が足されとんねん?」とか思うそこのアナタ。

 スペック比較はぶっちゃけこのページで言いたい本旨とはずれるので割愛するけど、これはまたBlackbird,flyとは異なる感覚。できるだけ、それを伝えたい。

 さぁ、素人ならではの魅力を見てみよう。

Lubitel166+の紹介

 今回紹介するのは、上述の通り。Lomographyから発売された、「中判二眼レフトイカメラ」。もう字面から沼人(ぬまんちゅ)のかほりがする…と思うべからず。

正面
左側面
背面、天気ごとにおすすめの設定が書いている配慮
側面その2

スペック

タイプ:2眼レフカメラ

使用フィルム:ブローニーフィルム

ケーブルレリーズソケット:あり

バッテリー不要

絞り:f4.5, f5.6, f8, f11, f16, f22

シャッタースピード:1/250, 1/125, 1/60, 1/30, 1/15, Bulb (B)

焦点距離:75mm

露光範囲:6×6, 6×4.5, 24 x 36mm

フィルム巻き上げ:ノブ

フラッシュ接続:ホットシュー

焦点距離:0.8m – 無限遠

フィルムカウンター:自動

素材:プラスチック

三脚穴:あり

露出計:なし

 私がこの機材に出会ったのは実は最近。発端は、「…してェ…中判フィルムで多重露光してェ…」とコロナ禍でくすぶっていた私が広い沼を探していたところ、まるで引力に導かれて落ちるリンゴのように出会ってしまった。

 これを選んだ理由は、機能以外にはたったひとつ。できるだけ新品なものが欲しい、という無茶な願いだ。当然ながら、現代においてはほぼフィルムカメラは生産されていない。しかし、それでも…という人間の深い欲望は尽きない。わがままである。世の中はうまくできていて、そんな沼の底の住人にも差し伸べられる手はあるのだ。

 くどいようだが、このLubitel166+はこの令和においても新品で手に入れられる(執筆時)シロモノであり、トイカメラの沼と中判の沼の両方を同時にカバーできる罪深い機材である。人によっては綺麗な個体沼というこれまた厄介な沼に浸かっているので、その人の欲望も満たせるのだ…。

 余談だが、新品で買うとストラップやら作例やらLomographyのブックレットやらが綺麗に入った箱に入ってやってくる。これがまた面白い。刺さる人にはぶっ刺さる、というやつだろう。というかLomographyの製品が刺さりすぎている感じはあるが、まぁいいか。

Lubitel166+の使用感と作例

 使用感は、不思議の一言。撮影には、レンズを右に左にいじくって距離を調節し、写真の11時方向にあるレバーを押し込みシャッターチャージ後、9時方向にあるレバーを押し込みシャッターが切れる。

 押し込むと、これまた「カチッ」というおもちゃのような音が鳴り、シャッターが切られる。前回のBlackbird,flyよりももっと音が小さい。ボールペンのクリック音くらいの音量である。これでシャッタースピードが変化しているのだから、もはや「かがくのちからってすげー!」の一言(裏蓋を開けて空シャッターはみんな切るよね…ね?)

 なお、こちらはLubikinという35mmフィルムでも撮影できるキットが付属しており、これもまた所有欲…いや、懐の広い仕様となっている。

 作例はこんな感じ。

Fuji Pro400H 五日の新宿東口
Fuji Pro400H, やはり大好き多重露光
Fuji Pro400H, トリプレットによるバブルボケ、およびグルグルボケも見られる

 無限遠もしっかり出るし、絞ればそれなりにシャープに写す力を持つ素人。コスパは非常によろしい。このカメラも、シャッターを切った後、コマ送りを自分で行う必要がある。もちろんそれを無視してひたすらシャッターを切り続けることができる。が、チャージをしないといけない分若干手間。また、35mmに比べ、少しフィルム送りに重さがある。ズリズリ…と中で歯車がかみ合いながら送られている音を聞くとものすごく安心する。個人的にはなんかすごい機械をいじくっているぞォジョジョ!、とちょっぴり「ハイ」ってやつになるが、たまに回しすぎて1コマ無駄にしちゃった、なんてこともあったので注意。

マクロ化

 もはや得意・不得意は前回とほぼ同じなので割愛。それよりも今回は、この素人がどこまで伸びしろがあるのか、ということを伝えたい。ここで伝えられること以上に、まだまだできることはあるが、今回はこれで勘弁してくださいな。

新しい沼へつながる不思議なとおりぬけフープ

 なんとなく察しのいい紳士淑女の皆様はもうお分かりかと。そう、レンズにステップアップリングを付け、マクロ化するのだ。

 といっても公式でも紹介されているテクニックなので、ちょっと自分でもやってみたかったし、沼人な読者の皆様にも知っていてほしかった。そんな些細な動機。

距離をできるだけ同じ長さに
ステップアップリング装着完了
装着後はこんな感じ

 実際、これを行うのにステップアップリングを3つ、ステップダウンリングを1つ購入したうえで更にそれに合うクローズアップレンズを探して…と非常に手間。

 だがそれがいい。

 やはりプラスティックのチープな筐体では、若干のがたつきが出るのは仕方ないが、もうそれも個性である。目くじら立てようなんてそんなそんな…。トイカメラの世界は寛容が求められてくるため、人間性が高くなるのである(暴論)。

 一応、上から覗き込むとこんな感じ。

室内だからISO感度高くしないと撮れなかった

 スクリーンは正直見づらい。ガイド線もないし暗いし。ピントはスプリット方式で、これは上蓋に格納されているルーペと合わせて使いやすい。

気になるのは装着後の作例だが、以下の通り。

Fuji Pro400H, 風の強い春の日

 これはシャッタースピードMAXかつ被写体からげんこつ一つ分くらいの距離での撮影をしたが、意外にもしっかりピントも合っているし、合焦点はシャープ。意外と素人である私が撮ってもそれなりの成果物が出てくるのだからすごい。

Lubitel166+入手例

 現在もLomography公式から注文可能。入手難易度はそこまで高くない。それでももっと安く、ということであれば皆様の住処である某オクとか某カリとかに新品同一品だの、開けてから何年も使ってませんだの、といったものがもしかしたら見つかるかもしれない。個人的には、是非公式から購入してLomographyを応援してほしい。

終わりに

 今回もまた、トイカメラをご紹介した。ただ今回は中判ということで、異なるフォーマットに手を出してみよう、という将来有望な方々に優しい機材だったと思う。

 ところで、皆様はLubitel=Amateurの語源についてご存知だろうか。元々はラテン語のAmator=Lover、つまり○○を愛する者、という語に端を発するらしい。転じて、スポーツだとか趣味の分野だとかで楽しむ人たちをアマチュアと呼び、結果に応じて金銭が発生するような人たちをプロ、と今日では区別しているとのこと。

 翻って、我々(のほぼ太宗)は素人である。すなわち、カメラに対する愛を持っているはずだ。

 私の出会いもそうであったように、皆様にも何かに引かれて手に取る日がいつか来る。その何かとは、愛である。だからこそ、引力=愛という公式は成り立つのである。(Q.E.D.)

…。

トイカメラは、あなたを自由にする。

どうかよいカメラライフでありますように。

この沼に住む人
青狐

レンズ沼、カメラ沼に誘い込む狐。フィルムで多重露光大好き。ピンボケ、露出オーバー・アンダーなんでもござれ。

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カメヌマ

コメント

  1. […]  今日は、またLomographyの製品の紹介である。え、「また」?ここ を読んでみればわかる。筆者は、フィルムカメラ沼浅瀬の住人を自負している。今回はコシナのCX-1/2の模倣とされるモ […]

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