チェキ、チェキ、チェキ!
インスタントカメラの製品の一つですが、日本人には馴染みがあると思います。
僕が生まれた頃からありますし、ここ数年は学生の間でも人気です。
普段からレンズ交換式のカメラ、メカメカしいカメラを使っているとどうも今までの既製品では満足感が足りない。
押したら出てくる、絵も悪くはない、ただ撮っている感が足りなすぎる。
ただ写りは魅力的だし配るにも合理的。
葛藤する日々。
そんな日々に一つの打開策をNONSは提示してくれました。
-NONS SL42-

クラシカルなデザインのカメラ!言われなければチェキを使うカメラとは思えない。
大変好印象なデザインです。スペックから説明することとします。
マウント | EFマウント |
使用フィルム | Fujifilm Instax mini film |
シャッター | レンズシャッター B,1〜1/250手動チャージ式 |
ファインダー | 23 x 36 mm (横x縦) |
バッテリー | 3200mAh内蔵リチウムイオン電池 入力USB Type-C DC 5V, 1A |
大きさ | 158 x 65 x 116 mm (幅 x 奥行き x 高さ) |
重さ | 510g |
マウントはEFマウントを採用していますね。電子接点はなく手動絞り、MFが前提になっています。今回僕はK&F社製のボディ側EFマウントをFマウントに変換するものを使っています。NONS SL42の手前にある薄いやつです。

その右手に見える筒は、NONSさんのEFからEFの1.8倍テレコンバーターになります。NFEと呼ぶみたいです。これを使わないと大体どんなレンズを使ってもケラれるのですが、このテレコンバーターを使うことで、イメージサークルを中判まで拡大することができ、そのケラれを軽減させることができます。(ケラれ具合はレンズ次第)

厚みはやはりチェキのカートリッジ分厚くなりますね。まるで中判カメラのようです。充電方法がType-Cなところは非常にいいなと思いました。さてもう少し細かいところまで見ていきましょう。

背面は非常にすっきり、ファインダーとチェキを装填する裏蓋があるのみです。貼ってある革は若干すべすべ系ですが個人的には合格点。パターンの感じも結構いい感じです。

軍艦部も見てみましょう。
右上からシャッターボタン、肩液晶、シャッタースピードダイアル、ホットシュー。これまたシンプルで分かりやすいです。

肩液晶には後述する光センサーを元に算出された、シャッタースピードに対しての適性F値と、バッテリー残量、チェキカウンターが表示されます。色とか字体すごく好きです。
シャッタースピードダイアルはもう少しクリック感が欲しいところです。中間シャッターは使用することができません。シャッターボタンの形状は指を包み込む感じで押しやすいです。

ホットシューは接点一つ!当たり前ですが^^;
何気にストロボ使えるのはありがたいです。何度か使用しましたがかなり重宝しました。
チェキをできるだけ一眼レフに近づけようとしている製作陣の気持ちを些細なことから感じることができます。

NONSのロゴ。シンプルならが非常に味わいのあるフォント。すごく好きです。その可愛らしいロゴの左にある丸い何かは、先程触れた光センサーになっています。ここから周囲の明るさを読み取り、適切な露出を教えてくれます。

次は右側面。チェキの排出場所になります。
左下の丸いボタンは長押しでチェキ排出、素早く4回クリックで肩液晶に表示される露出のモードをNFE非装着時と装着時の2つを選択することができます。何回か間違ってチェキを排出してしまったので、別途ボタンが欲しいところです。

底面には三脚用のネジ穴と充電用のType-C用の充電口、電源On/Offスイッチがあります。実用上問題は一切ないです。
前置きが随分と長くなりました。
描写について触れていきたいと思います。

撮影した際のシステムは先述のように、マウントアダプターを介してFマウントのNikkorを使用しました。
これが何よりも「NONS SL42」の魅力なのです。
Fマウントに限らず、物理的に装着できピントが来るなら、お手持ちのレンズどんな物でも気軽にチェキ撮影を楽しむことができてしまいます!
今でのチェキでは考えられなかった、ボケ感や画角をフルマニュアルで操る楽しさは言葉で表せきれないほどです。

並べてスキャンするだけで圧倒的な色味。じわじわ浮き出てくるまでの時間、いままで体感したことのない楽しみです。
レンズ交換式ならではの画角の豊かさも楽しさに拍車をかけます。
今までのチェキという概念をぶち壊しにきています。
質の高いレンズを使いチェキに落とし込む。
こんな贅沢な体験をさせてくれるのは「NONS SL42」以外に知りません。
実際に見てもらわないと作例の良さが伝わらないのが少し残念ですが、画面越しでも伝わるような作例をスキャンしてみました。

街中に落ちていたコロナビールの空き瓶を主題に、素直に50mmのレンズをつけて撮影してみました。ピント面のシャープさも十分で、包み込むようなビネットが瓶への視覚的導入の手助けにもなっていると思います。
実際に近くで見てみると特に奥行き感が今までのチェキとは段違いだということがわかります。

1/250までしか切れないので動くものをビッタリと止めるのは至難の技ですが、止まらない方がより躍動感がありマッチしているまでもあります。チェキの発色と使用できるレンズの豊富さ。この相乗効果とも呼べるものを実現可能にしたのはしつこいようですが、「NONS SL42」です。

若干のブレもご愛嬌。なんでもエモくなってしまうチェキとオールドレンズの相性は半端ないです。
最後に
どうしても譲れない改善してほしいPointを挙げてからの総評としたいと思います。

毎回シャッターを切るたびにシャッターをチャージしなければならないのですが、この金具の金属が行う動作に対して柔らかすぎて変形してしまう!また指が痛い!
女性は痛くて巻き上げられない時もあるのではないのかな?とも思うことも。
ぜひ被せのカバーを作るなり、厚みを増やすなりで変形、そして痛いという点を改善していただけたらなと思います。
この点については現行品は既に改善されていて、ステンレス素材を採用し、より滑らかにシャッターチャージができるようになっているとのことです。
追記

貼ってある革のテクスチャーは好きなのですが,,,このように各部剥がれてしまっている!
もう少し接着を強くして欲しいと思いました!
こちらの革の剥がれに関しても、現行品では改善されていて、剥がれることはなくなっているとのことです。今回のモデルはクラウドファンディングの時の初期モデルになりますので、その辺りがまだ整っていなかったということになります
追記
かなり辛口とも思われるかもしれませんが、1からこのカメラを設計し世の中に送り出した、これだけでも称賛されるべきですし、唯一無二の存在意義が「NONS SL42」にはあります!
・手元のレンズで気楽にチェキ撮影
・一眼レフ感覚でチェキ撮影
・外付けストロボが使えるチェキ
・ランニングコストの安さ(135フィルム比較)
・何よりチェキの楽しさ
これらを満たすカメラは今のところ「NONS SL42」しか知りません!本当は同級生のポトレ作例を見て欲しいのですが,,,どれも本人の許可を取ることができず,,,
オフストロボ、多彩なレンズ群、チェキ、フルマニュアルボディ。
ポートレートに向かないわけはないですよね?
まだ触りたてということもあり、全ての魅力が伝わる記事かどうか難しいです。もっともっとこれから使い込んで、検証して、その結果を記事として皆様と共有できたらと思っています。
総評:発展の余地を残しつつも、とりあえず買ったら世界観変わる良いカメラ!
ぜひ皆様もNONSの製品をチェックしてください!
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