――青い水平線を いま駆け抜けていく
はじめに
旅行がしたい。
確か前回もそんな感じの書き始めだった気がする。
今回は、「このコロナ環境においても、海外旅行したい!」という気持ちを(残念ながら)抑えられなかった筆者が、過去の体験を振り返り、読者の皆様にも旅行気分を味わっていただくことを目指す企画。でも、機材の会話もしつつ、しっかり要点は押さえていきたいので、まずは塩梅を見ていくための試金石として、本稿を綴っていく。 ぶっちゃけ、結構自分語りが多くなることも予想されるので、紀行文の性質上、そこはご容赦願いたい。
場所および経緯
初回の企画なので、できるだけ写真が多いところにしよう。元々はそんな感じでHDDを漁っていたのだが、ふいにとあるフォルダに目が留まったのがきっかけ。ああ、これかぁ…。
…
今回は、筆者がシンガポールにいた際に、なぜか同期の中で「土日に○○いってきた」なる今考えればものすごく贅沢なブームがあった。筆者は焦っていたのをよぉく覚えている。
なぜなら当時、ものすごく忙しかったからだ。午前5時から午前2時までの勤務を週5、土日は別部署の駐在員の方向けに自宅に併設されたテニスコートを予約し、テニスレッスンを開いて糊口を凌いでいた(といっても金銭的なモノは一切発生せず、単に晩飯をおごってもらう、というだけの軽いものだった)。そのため、職場ですれ違う、定時で帰れる同期から聞こえてくる色々な近隣の国の情報を耳にする度、ちょっとうらやましいゾ…と思っていた。簡単に言えば、ブームに乗り遅れていたのだ。
ようやく、職場での仕事にひと段落がつき、連休を取ることになった。その際、どうしても行きたい国があった。それがモルディブという国である。なぜか?この写真を見てほしい。

そう、水上コテージである。ヴィラというらしい。
そもそもモルディブとは、サンゴ礁の島々から構成されるインド南部の国であり、世界有数のリゾート地として知られている。ご多分に漏れず、筆者はこういうところに行って、いろんな写真を撮ってみたいという写欲と、なんというか、ぼーっと水平線を眺めてみたいという贅沢な欲望を抱えていた。
結局のところ、シンガポールでは働き詰めであり、筆者は癒しが欲しかった。それ以上の理由は当時考えつかなかったのである。
その中でも、筆者はとにかく癒されるなら最上級のところで!という、今となっては本当に理解しがたいが、謎の高級志向から、諸々インターネットの海を泳ぎまくった。最後の方は半ばヤケだったかもしれない。結果、ギリランカンフシというホテルに目が留まった。 詳しくはURLを見ていただきたいが、とにかくそこにあったのは天国だった。
旅程
全部で3泊4日だった気がする。
まあ思い立った日にいきなり某予約サイトで予約したので、ものすごい額だったが、正直そんなことは本当にどうでもよかった。気になる方は筆者に直接アクセスしていただきたい。
流石にここでは書けない…。
アクセス
シンガポールから、スリランカ経由で約6時間飛行機の旅を楽しむ。どうやら、シンガポールから直通だと4時間らしかったが、先の予約サイトで急遽取ったため、ここしか空いてなかったらしい。それもまた旅の醍醐味である。急ぐ旅ではないのだから。
この国の玄関口であるマーレ国際空港へ到着する。当時はシンガポールを遅めのお昼過ぎに出たため、結局到着したのが真夜中だったことを記憶している。


ちょっと前までノーマスクだったんだよなぁ…。

上記の写真の通り、観光業が盛んなこの国では、サンゴ礁の島の上にホテルを建てている。そのため、空港から各ホテルまではこのようなスピードボートでかっ飛ばすのである。ホテルによっては、いわゆる羽根のついたカヌーというか、コマンドーに出てきたような水上飛行機のようなもので行くこともあるとか。
真夜中のインド洋をものすごいスピードで進んでいくこと20分。暗闇から明るい光が見えてきた。真夜中であり、探索は明日以降にしよう、ということにした。道中、ずっと座っていたとはいえ、流石に疲労はしていたし、何より真夜中の海を渡り切ったことへの安心感が眠気を誘ったのである。 なお、到着と同時に靴を脱いだ。ここ、ギリランカンフシは到着したと同時に靴を専用の袋に詰める必要がある。これは、現地の自然環境を守る側面もあるが、滞在者に「No Shoes, No News」といった非日常感を提供する演出となっている。筆者はもともとシンガポールからサンダルで来ていたので違和感なく靴をしまえた。
使用機材
この旅においては、よく覚えている。
K-1MkⅡ、およびFALimited全種と50/1.2。
しかも、結局紹介する写真で使用したレンズはほぼ31mm。
いずれ、これらの記事も書きたいと思っているが、思い入れが強すぎてなかなか筆が進まない。それはさておき、なぜ31mmが多かったのかというと、結局のところ、一番スカッとした画が得られたからだ。ある程度寄りの画も撮れるし、とにかくこれ一本で事足りたからだ。レンズの詳細はいずれきちんとやるので、今回はこのレンズで撮ったんだ、ということで一旦ご容赦願いたい。
じゃあなんでほかの3つも持っていったんだ、と。
…ポートレートも山のように撮るためだったからである。
記録



モルディブは雨季と乾季に分かれており、旅行中はほぼ雨に濡らされずラッキーだった。もっとも、スコールは何度かあったが、すぐ止むので問題はなかった。
ヴィラ、要するに水上コテージだが、広さで言えば横幅50mくらい、高さは10m程度だろうか。写真の向かって右側がベッドルーム、中心部分がリビング、左側がお風呂となっている。この写真は、筆者が朝のサンゴ礁地帯を素足で進みながら、いい感じのところで海上でカメラを構え、撮影したものである。本当に心臓に悪いのでお勧めしない。
ちなみに当時は幸せそうな新婚旅行中の方々も滞在していたみたいだが、数は少なく、基本的にごはん時にしか顔を合わせることはなく、所謂ソーシャルディスタンスなんかは当時からしっかり取れていたような気がする。筆者は、繰り返しになるが、常夏の南の島にて、大自然からの癒しを求めていた。



旅行中はすべてバイキングだった。なので、別に真新しさはなかったので食事の写真は割愛。ただし、おすそ分けを狙う鳥さんがやたらデカかったのを覚えている。ヤドカリもそうだが、なんかモルディブの生物は大きかった。いいモン食ってんだろうなあ…。

モルディブの夕日とともに撮った写真。ちなみに浮いているのは八角である。
このホテルではMr./Ms. Friday(要するに執事さんのような方)が部屋ごとについており、滞在中は何でも彼/彼女にお願いすれば大抵のサービスはやってくれる。例えばレクリエーションの予約や、食事の手配およびデリバリー、さらにはこうした各種サービスの案内まで。 本当に夢のような時間だった。





先に述べた通り、自然環境は素晴らしい。どこまで行っても青い空と白い雲、紺碧の海。筆者は滞在中、本当にこの水平線を眺めただけの時間があった。頭の中で、昔キムタクが出ていたパイロットのドラマの主題歌がただただ流れていた。それだけで当時は十分癒しだったのだ。
また、移動についてはこの三輪車で行っていた。むろん二輪車もあったのだが、基本的に地面が砂なので、そもそも安定しない。そのため、このトライシクルで機材を後ろに入れつつ移動する方がスマートだった。一応、部屋ごとにWifiも通っているが、部屋でニコニコ動画等をずーっと鑑賞…そんな野暮なことはしないだろう。

このギリランカンフシは、当然ながら島であるため、四方は海で囲まれている。そのため、こうした夕日がしっかり沈むように、もっと今風に言えば溶けていく様を見られる。
さすがに全部31mmだと…ということで、これだけ77mmの作例。夕日も出ている時間だったしちょっと望遠気味で撮るかぁとなったときの写真。甘ずっぱいのは載せない。
個人的には一番シチュエーションが好き。


これらは最終日にアンニュイになりながら撮った写真。
やっぱりナショジオのバッグはいいぞ。
おわりに
いかがだっただろうか。
今回は、趣向を変えて、旅行記事の作成を目指した。
本当は、もっと設備の話とかをするほうがいいのかもしれないが、実際の旅行ってレビューを前提にやってないし、もっとプライベートなものだと思うから、こんな感じの温度感でやっていきたい。
とりあえず初回はこんな感じ。
ご意見・ご感想等あれば、是非筆者まで…。
画を写さんと欲すれば、まず旅をせよ。
どうかよいカメラライフでありますように。
コメント
[…] その思いで前回、海外フォトウォークにも出かけづらい昨今だからこそ、このテーマで書き始めてみた。 […]
[…] 今回の経緯は、前回と前々回とは多少異なる。 […]