ジャンク箱での出会い。先日、秋葉原の小さいカメラ屋のジャンク箱でこんなカメラを見つけた。
ラバーこそ加水分解でベッタベタであるものの、割れや傷などはなく電池室もファインダーも綺麗。まあどの道、300円、動かなかったらバラして遊ぼうという程度のつもりで救出することにした。
このべたべたのグリップのせいで動作確認もされずジャンク箱に直行したと思われる。
Nikon F70Dについて
F70Dは、ちょうどデジタルカメラが登場した1994年。フィルムカメラとしてはだいぶ新しいモデルである。中でもこのF70Dは大型の液晶にボタンとダイヤルの併用で唯一無二のUIを持つとても変わったカメラである。(このせいでF70Dは不人気機種と言われているようだ)
以後継承されなかった唯一無二のUIと言った時点で操作性はお察しなわけだが、一度覚えてみればまあ使えないわけではない。
感染対策用のアルコールシートで拭くだけですべすべになるった。ついでに、電池を入れると問題なく動作した。かわいそうに。
左のボタン2つと右のダイヤルの組み合わせで数値を設定する。
電池はCR123Aだが、リチウムイオン電池の16340が使えた。
“最近”のカメラでフィルム写真を撮ってみた
・フィルムを適当に入れて蓋を閉めただけで1コマ目まで巻き上げられている。感動。
・シャッターを半押ししただけでピントが合う。感動。
・シャッター切ったら一瞬で次のコマまで巻き上げられている。感動。
普段機械式ばかり使っていると、今手に持っているのがフィルムカメラなのか疑わしくなってくる。使用感はデジタル一眼レフのようだ。
さらにこのカメラ、オートフォーカスレンズの中でもGタイプのAF-S(超音波モーター)レンズを使えるということがある。まさに普段使っているデジタル用のレンズだ。ちなみに、GタイプレンズではPオートないしシャッタースピード優先オートしか使えないのでご注意を。
以下に作例を紹介しよう。
完璧な露出計、正確なオートフォーカス、最新のレンズが使えるという特性を考えると、リバーサルフィルムで撮る方は一度お試しいただく価値があるかもしれない。
終わりに
見た目はデジタル、使用感もデジタル、出てくる写真もデジタル並み。だが、カシャイィーッ!というひと昔のガラケーのシャッター音のような作動音を聞くためにまたシャッターを切りたくなる。そんなカメラだ。カメラ自体極端に安いこともあり、既にニコンのフルサイズ一眼レフをお持ちの方で初のフィルムカメラに興味があるなら、写ルンですよりも手軽な選択肢になるかもしれない。
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