オールドレンズで人気のあるニッコールと言えどもあまり目立たないレンズがあるのをご存知ですか?今回はそんなレンズに焦点をあててみました。
ニッコールの200mm F4の単焦点というレンズがあることは知っている人は多いと思いますが、使ったことがあるという人はどれだけいるでしょうか?正直あまり使っている人がいないレンズな雰囲気がしています。でも果たして写りのはどうなのでしょう。写りが悪いから使われないのでしょうか?今回は実写で確かめてみることにしました。
200mm F4というスペックの単焦点レンズ
ニッコールに限らず、200mm F4単焦点のオールドレンズは全然人気がない少しかわいそうなレンズだと思ってます。ほとんどのモデルはかなりの安値であったり、少しでも状態に難があればジャンク箱行きのレンズ…
そもそも現行のシリーズだと200mm F4というスペックの単焦点レンズがライナップされていなかったり…やはり、200mm F4(ここではニーヨンと呼びますが)は見捨てられし不遇なレンズ。
Nikkor-Q Auto 200mm F4
今回のレンズニコンFマウントの200mm F4、これもニーヨンの例にもれず、いくら人気のあるニッコールであっても非常に安価で取り引きされています。
というか買う人もほとんどいないのでしょうね。
さて、この200mm F4にはいくつかのバリエーションが存在していて、ニコンマニアの聖典である「ニッコール千夜一夜物語」の第四十八夜にはこのレンズに対する以下の記述があります。
初期の200mmは、図らずも青の透過率の高いガラスばかりを使っていたため、他レンズと比較すると色調が青く、ユーザーから指摘を受けていた
ニッコール千夜一夜物語 第四十八夜 第三節
この記載から考えると、青が強く出る可能性があるということで、正直こんな面白そうなレンズはあるのかと思い、まさにこの特徴を持つ初期型を購入して試して今回の試写に挑んでいる訳です。
Nikkor-Q Auto 200mm F4作例
ここからは、Nikkor-Q Auto 200mm F4の作例になります。レンズが青く写してくれるという話なので、カラーフィルムを使って撮ってきました(デジタルだとその場でホワイトバランスの補正が入ってしまいますからね)。
まず思ったのは、全然悪くない写りということ。値段なりの写りかなっと油断していましたが、すごく良いです。解像感も予想以上ですし、コントラストも十分です。
あと縦構図が多いですが、なぜか縦構図の方がいい感じのカットが多かったです。
発色もすごい良いので驚きです。どちらかと言えば派手なくらいの発色かと。当時のニコンはすごいレンズを作ったものです。
青い青いという声があったとのことですが、撮ってみるとそれほど青が強い感じはありませんでした。もしかしたら、スキャン時に勝手に補正されたのかもですが…
ただ、少し緑が強いかなとは思いました。
逆光もしくは逆光気味で撮ってみましたが、発色の良さは目立ちます。全体的にフレアが出る感じにはなりますが、ゴーストはあまり見られませんでした。
さすがの200mmだけあって、F4ですがボケは大きいと思いました。ピント面も結構薄かったです。撮ってるときピントずれてないか心配でした。
200mm縛りでスナップを撮ってきた訳ですが、なかなかに大変だったというのはあります。200mmってそうとう望遠で狭かった…けど、撮れるものは被写体が際立つものが多くて撮れ高は良い!
終わりに
ニッコールの200mm F4の描写は十分に満足できるものでした。ジャンク箱の常連で安価に購入できるレンズですが、そのパフォーマンスは他のレンズに比べ遜色は無いです。
さらに言えば、聖典にはこのような記述もあります。
Nikkor-Q Auto 200mm F4は「まさにこのレンズのためにニコンFを作った」といっても過言ではないレンズといえるだろう
ニッコール千夜一夜物語 第四十八夜 第一節
ここで言っていることは、100mmや135mmまではレンジファインダーのニコンS型でもなんとか使えますが、200mmはさすがに不可能。つまり200mmで望遠の撮影をするためにニコンFが作られたということなのです。
ニコンのレフ機を好んで使ってる読者みなさまはこの200mm F4を使ってみるに他に選択肢はないですね。伝説のニコン初代Fは200mm F4のために造られた以上、その伝説の組み合わせを体験せずにニコンを語ることなどできようもないですから~
コメント