ハッセルブラッドの中判ミラーレス機用のレンズであるXCDレンズ群、その中で現在唯一のズームレンズであるXCD35-75mm F3.5-4.5のレビューをしていきます(2022年10月時点)。
Hasselbladの中判ミラーレス機であるX1DシリーズおよびX2Dには独自のXマウントと呼んでいるXCDレンズ群が展開されているわけですが、このXCD35-75mmは初めてのズームレンズになります。
焦点距離をフルサイズに換算すると28mmから58mm程度になりますので、標準ズームといった所でしょうか。

F値は通しでは無く、F3.5からF4.5まで変わるスタイルですが、カタログのMTF曲線を見ると凄まじく上に張り付いたものになっていますので、良く解像する高コントラストのレンズだと伺えます(この後の実写で見てもらえば、分かりますがすごい性能です)。

フルサイズのレンズに触れている人から見ると、こんな微妙なF値でどうするの?って感じかと思いますが、中判デジタルだと単焦点でもF4とかF3.5だったりするので、F3.5から始まるズームレンズでも十分すごいです。

重さ的にはそこそこずっしりきます。ただ重すぎるという感じではないです。頑張ってコンパクトに仕上げてきたんじゃないかなっという印象。

デザイン的にはかなり好みです。このボディとの組み合わせは調和がとれた見た目をしていますね。
XCD 35-75mm F3.5-4.5実写
ここからが実写です。こちらのレンズは購入してから、本当に色々な所に連れ出しました。その一部にはなりますが、ご覧になって頂ければと思います。


とにかくシャープです。コントラストも素晴らしい。RAWファイルを等倍で見た時にも全く破綻せずに、隅々までシャープに写っているのを見るともう満足感がすごいことになります。


スカッと抜けるような写りとはまさにこのようなレンズのことを言うのだと思います。このレンズ、単焦点レンズ数本分の働きをしてくれると思います。



あまりボケを作るようなレンズではないと思うのですが、結構ボケがキレイだったりします。スペック的にはそこそこ寄れるので、ボケを生かすような撮影もできてしまうかもですね。

桜の作例を多くお見せしてしまいましたが、本当に桜をキレイに写してくれます。明るい場面でのハイライトの部の描写がすごく好きです。これはボディであるX1D iiのおかげもあると思いますが・・・
一方で、影があるような絵ではシャドウ部が独特な重厚感を持ってくれるので、それもすごい好みです。



お値段的には新品価格で50万を余裕で超えてきますが、そもそも単焦点レンズも高いので、単焦点レンズ数本分の働きをしてくれるとなれば、むしろ安いです(沼)。


終わりに
標準域をカバーしてくれるだけあって、いろんな状況で頼りになるレンズです。
ハッセルでデジタル中判やりたいけど、レンズが高いな〜という方にはこのレンズは1本で活躍してくれるオススメレンズと言えます(この1本が高い訳ですが…)。
フィルター径77mmで普通のフィルターが使えたり、インナーズームだったりと細かい所に気が利いているのもいいですね。
ぜひ、皆様もこちらのレンズでハッセル生活を充実させて下さいませ。
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