PETRI 7 手軽にペトリを。手軽にフィルムを。

執筆者:ほたまる

 ペトリ。自分が使うとは全く思っていませんでした。そんな偶然の出会い、ぜひ皆様に共有したいと思い書き連ねてみます。

 今回紹介するのは、ペトリから1961年に発売されたペトリ7です。搭載されているレンズは4.5cmのf/2.8です。外観上の特筆すべき点は、台形になっていることペトリ定番のグリーンオマチックです。細部の作りを見てみることとします。

 セレン式の感光部がありその真ん中にレンズがあります。シャッターはレンズシャッターで、1秒~1/500秒まで切れます。シャッターフィールは非常に軽くおもちゃのようです。

 よく言えばシャッターショックも限りなく少なく、音も静かなので実用的には問題ないのですが、シャッターボタンの押し込みにあそびがあり、気になる人には気になるかな?という感触です。

 各部の作りは安っぽく、高級感があるとは言い難いですが、実用十分な精度は持ち合わせていると思います。巻き上げの感覚などもどことなくチープな感触です(巻き上げレバーが鋭利で薄く、動作においてもスムーズさには欠ける気がします)

 しかし写真を撮り始めると、自分との一体感に脅かされます。要因は主に三つあると考えていて、一つ目はカメラ本体の軽さです。非常に軽いのに小さすぎない大きさが、無意識にカメラを構えさせ気づいたらシャッターを切っている大きな要因だと思います。

 二つ目にシャッターフィールの軽さがあると思います。切れた!ではなく、おっ撮れたかな?まぁいっか!ぐらいのアバウトな感覚が、ゆとりを持たせた撮影を実現してくれています。

 三つ目は、ファインダーのクリアさだと思います。カメラを構えてもカメラを構えているという感覚をあまり感じさせないファインダーはグッドですね~!

 撮影した作例を見ながら描写についても触れてみましょう

 絞りを完全に忘れていましたが、この暗いシチュエーションであれば2.8の開放だと思います。ピント面は解像し、モワッと包み込むような雰囲気が表現できていてすごく感動しました。

 こちらも2.8開放のショット。ハイライトの包み込むような表現力にはびっくりしました。よく言えばカッチリ決まらないのですが、スナップにはこれぐらいの間がある方が撮りやすいかな?と。

 シチュエーションとフィルムがマッチすると、まるで絵に書いたかのような豊かな表現をしてくれるこのペトリには本当に驚きました。予想の倍はいいです。

 日中はしっかりと絞り、逆光気味での撮影。やはりピークの解像度はそこまで高くないけれども、収差や歪みにおいても違和感がないのは非常に使いやすいと感じますね。

まとめ

 二重像も見やすく、露出系も使えて表現力も豊か。軽くそしてシンプル。フィルムカウンターだけちょっと手間ですが、手に取る価値はある一品です。ペトリ7と言ってもさまざまなレンズを搭載したものがあるので、ペトリの旅へと旅立つ日も近そうです。

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